老人民主主義の倒し方
日本の政治は老人に優しく、若者に厳しい政治と言われています。
まあ、その通りですかね。
例えば...
その一方で、こんなことも
「低所得者に給付」なら分かるんですが、なんで高齢者だけなんですかね?
高齢者の場合、引退しているからフローの所得は少ないけど、不動産や預金などの資産は沢山あるという人が多いので、こういう人も給付対象になるってことは金持ち優遇とも言えますね。
なぜこうなるかですが、選挙対策と言うことになっています。
60代の団塊世代が人口が多いので、シニア受けしないと選挙に勝てない。
若者は人口も少なく選挙にあまり行かないので、政策上気にしても票にならない。
などが良く言われます。
実際、どれくらいその通りなのか見てみましょうか。
まず、年代別人口から行きましょうか。平成26年10月1日の推計です。
グラフの単位は千人です。
これを見ると、確かに60代の団塊世代の人口は多いものの、40代の団塊ジュニア世代も負けていないことが分かります。
60代の人口は1802万人ですが、これに対して40代の人口は1812万人ですからむしろ多いんですよ!
団塊世代は特に男性で少しづつ死に始めていますから、この差は今後もっと開いていくでしょう。
20代はどうにも少ないですねぇ。40代の7割行きません。
選挙権が18歳からになっても、まあ焼け石に水ですかね。
次に、投票率です。平成26年の46回衆議院議員選挙の時の調査結果で行きましょうか。
最も投票率の高い世代が、65から69才の団塊世代であり、人口も多い。
そりゃ政治的パワーも高くなります。
年齢が若いほど投票率は低いのもきれいな傾向ですね。
しかし、70代になると投票率は減っていきます。団塊シニアは死んでいきますし、生きているシニアも今後選挙に行かなくなることが予想されます。
団塊世代の政治的パワーも今がピークでこれからは下がっていくのです。
で、人口と投票率を掛け算して、投票者数を推計してみたものがこちら。
うっ!やはり高齢者特に団塊世代強い。
しかし、60歳以上の投票者数が合計2864万人に対して20~50代は3376万人もいます。
実は、現時点でも現役世代が足並みを揃えれば、高齢者と戦えない訳ではないのです。
20代はさすがにデモする位しかないかもしれませんが、現役VS高齢者の構図にすれば現役にも勝ち目はあります。
若年層の低投票率には「どこに投票してもどうせ無駄」という諦観も一つの理由ではないかと思うので、政策に期待が出来れば投票率も上がる可能性があるとも考えます。
今はどの政党も高齢者寄りの政策ですから、投票するのがあほらしい。
ここに目を付けて現役寄りの政策を掲げる政党があってもいいのではとも思いますがどうですかね。
子育て支援、中所得者の所得減税、教育重視、年金縮小、高齢者の医療費負担割合UP、地方の公共投資を削減して都市に回す、コメ酪農品の輸入拡大みたいなパッケージでどうでしょう。
僕は投票しそうな気がします。
実際には更に、島根県のような老人の多い地方ほど一票の重さが大きく、若者の多い都市ほど一票の重さが軽いというファクターもありますけど。
ちなみに、政府が進めているデフレ脱却ですが、物価が上がると預金の価値が下がりますから引退して預金で暮らしている高齢者には厳くなりますし、マクロ経済スライドも年金の実質価値が下がるように設定されているので、インフレ政策は現役寄りの政策ではあります。
この点では政府は老人の味方ばかりというわけではないので、バランスを取っているとも言えるでしょうか。