「働いたら負け」は本当でした
職業別の貯蓄額ってのが気になったので調べてみました。
総務省のやっている家計調査のH26年4-6月のデータを見てみました。
この調査は世帯単位なため世帯合計の貯蓄額で、現預金だけでなく保険や有価証券も含むモノです。
- 世帯主の職業別貯蓄額(二人以上世帯。単位万円)
貯蓄額は個人経営者がダントツです。これは士業の方などが稼いでいるというのもありますが、個人事業者の場合、事業性資金も家計貯蓄ということになってしまうのでかさ上げされている面もあるでしょう。
これを見るとみんなの憧れ官公職員もそんなに貯金があるわけではないですね。民間職員の方が僅かながらむしろ貯蓄が多い位です。
また、商人、職人、農林漁業の世帯はもっと貯金がありますよ。
ちなみに全世帯平均で貯蓄は1795万円ということでした。けっこうありますね。
2年前からの株高で増えてますね。
ちなみに、貯蓄だけでなく借り入れの額もあったのでこれも職業別にしてみました。
- 世帯主の職業別貯蓄額(二人以上世帯。単位万円)
貯金が結構ある一方で借金もまたそれなりにあります。
平均すると世帯当たり520万円ほどです。
こちらの負債の数字では、無職と農林漁業の負債の少なさが目を引きます。
最後に、貯蓄額から負債を引いてネットの純貯蓄額を出してみます。
- 世帯主の職業別純貯蓄額(二人以上世帯。単位万円)
比較的借金も多かった、民間サラリーマンや官公職員も実質では600万ほどと結構減っちゃいます。
こちらでも、やはり貯蓄の多さが効いて個人経営者が1番多いですね。
そしてそれに次ぐのが、グラフの一番右「無職」です。純貯蓄では法人経営者も自由業者も抑えて職業別2位にランクアップします。
無職って、お金持ちが多いんですね。
金融資産以外にも不動産てやつがあります。そこで持ち家率見てみましょうか。
- 世帯主の職業別持ち家率(二人以上世帯。単位万円)
持ち家率でも「無職」はなかなかの高さです。
貯金も沢山あって、不動産も持っている。それが無職。
「働いたら負け」ってホントですね。
ま、リタイヤ老人は金も不動産も持っているってだけなんですが。
でも無職なのでフローでは結構低収入なんですよ。
現在担税能力があるのはこれらの低収入/高資産層なのですが、この人たちは所得自体は低いので所得税は取れないのです。
また、低所得者層に再分配するみたいな政策は、これらの資産持ちに分配するということになってしまいます。低所得者の多くは資産持ちというねじれた状況なのです。
これらの人も所得こそ低いですが、預金からそれなりには消費するので、所得税よりは消費税の方が筋はいいと思います。
一番いいのは資産課税ですが、タンス預金への課税が難しいので、インフレにしてインフレ税的状況を作るのが一番でしょうか?