奨学金は借りられるなら絶対借りるべき

日本学生支援機構奨学金という奴があります。

あれは、無利子の1種はもちろん、有利子の2種であっても最高に有利なローンです。

 借りなくても学費はなんとかなるという人も、日本学生支援機構奨学金は取りあえず借りておいたほうがいいと思います。

 

親の年収が4人世帯で年収が1170万円以下なら少なくとも2種の方は借りられるはず。

そして、可能であればこれを使わないで、貯金するか、堅めに運用することをお勧めします。

 

奨学金金利は上限3%となっていますが、実際には黒田マイナス金利砲発射前の昨年の段階で固定金利0.16%とかでしたから、今なら0.1%位で借り入れ可能だと思います。

金利は上限3%を対外的に強調しているのは、借入希望が増えないようにって言う狙いじゃないですかね。

 

マイナス金利の今でも、オリックス銀行など金利が良い定期預金であれば0.2%位の金利が付くので、借りた奨学金をそのまま定期預金にブタ積みしておけば、わずかに増えます。

在学中は無利子ですしね。

 

それで卒業時に、500万の借金と、500万の貯金を両建てで持っていることを目指しましょう。

 

無担保で500万借りるなんて、大企業社員や公務員であっても相当難しいですよ。

もし出来ても年10%は金利かかるでしょうから、この奨学金による500万の手元流動性はものすごく価値があります。

 

で、卒業後に、住宅や、自動車購入などでローンを借りたり、生活費が足りなくてカードローンをつまみたくなることもあるかと思いますが、そのときに、この奨学金を積み立てた定期預金を取り崩せばいいのです。

カードローンなどは10%以上の利率ですし、この定期預金で充当して借りずに済ませたり、住宅ローンの借入額を減らすことが出来れば相当得になるはずです。

 

他にも、結婚とか、ブラック企業を退職して就職活動中の生活費とか、離婚したときの引っ越し代とか起業する時の資金とかに、この500万はいざというとき役に立つはずです。

返済が必要だとはいえ、手元にキャッシュがある状態だと、気持ちが安らぎます。

返済が遅れてはダメですが、繰り上げ返済なんて絶対しちゃだめですよ。こんな有利なローン大学生以外には絶対組めないお宝ローンなんですから。

 

デフレになれば実質的な返済額が増えてしまいますが、その分定期預金に積んであるキャッシュの価値も高まるので、インフレだろうとデフレだろうと貨幣価値の変動に対しては中立ですから、借金と預金の両建てになっていればこれはあまり考えなくていいかも。

 

ちなみに、こんなにおいしいローンを提供していればさぞかし赤字だろうと思ったのですが、驚くことに日本学生支援機構は平成26年度では経常利益が54億円でした。

なんであれで儲かるんだ!と驚いたのですが、よく見ると国から127億円の利子補給を受けているため、実質的には70億円ほど赤字です。

更に、8兆円の貸出残高があり、回収率は96%台ですから3%は回収できない状態で貸倒引当金980億は甘い気がしますからもっと盛大に赤字、つまり借りる人が美味しいと思ってもいいと思います。

日本学生支援機構IR資料>

http://www.jasso.go.jp/about/ir/saiken/__icsFiles/afieldfile/2016/01/08/42ir.pdf

 

そう考えると、借りたくなるでしょ?大学生の特権ですよ。

 

しかし、将来平均的には収入が高くなるであろう大学生を、高卒以下が過半数の日本国民から集めた税金で支援することに、個人的には抵抗があります。

生涯所得で考えれば、強者が弱者から搾取しているということになるからです。

 

やるとすれば、より能力が高く、より経済的余裕がない層に対象を限定すべきと思います。

大学・短大・高専・専門学校合計で進学率79%。そのうち38%が奨学金利用ですから。同世代の3割が利用してる計算です。

所得が1000万円超える世帯はもういいんじゃないかなとか、勉強が嫌いな学生には貸さなくてもいいんじゃないかとか思います。

 

確かに大陸ヨーロッパは大学学費無料の国多いですが、大学進学率は低いです。また、大学に進学してもかなり卒業できないため大卒比率は低いようです。

また、世界大学ランキングでも大陸ヨーロッパの大学はETHやグランゼコール位しか上位に出てきませんが、もしかしたら学費無料でセレクションも甘いことが少し関係あるのかもしれません。

 

こんな有利な奨学金ですが、借りるためには大学等に進学する必要があります。

次は大学は元が取れるのかを考えたいと思います。